第23回日本栓子検出と治療学会
会長 平野 照之
(杏林大学医学部脳卒中医学 教授)
時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。このたび第23回日本栓子検出と治療学会(通称エンボラス学会)を2020年10月24日(土)、25日(日)の会期で、杏林大学井の頭キャンパス(東京都三鷹市)にて開催させていただきます。創立6年目の脳卒中医学教室にとって大変名誉なことと感じております。
血栓塞栓症の原因となる栓子(エンボラス)の背景には、多種多様な病気・病状が隠れています。栓子を見つけ、科学し、そして治療(search and cure)へと導くためには、学際的視点からのアプローチ、すなわち医工学の情報共有、研究者と臨床家との連携、コメディカルスタッフの力は欠かせません。多領域・多職種の研究者が集い、活発な討論ができることが本学会の大きな魅力であり存在意義でもあります。そこで今回のテーマは、エンボラス学会の設立理念に立ち返り塞栓症を学ぶ、という思いをこめ「原点回帰」といたしました。会場には大学の講義室を選び、キャンパスライフを思い出しながら、皆様と最新知見を共有させていただければ幸いです。
2020年はオリンピック・イヤーであると同時に、脳卒中・循環器病対策基本法が施行される記念すべき年です。血栓塞栓症の領域では、卵円孔閉鎖や左心耳閉鎖デバイスの導入、潜在性心房細動の検出機器、新たな機序を有する抗血栓薬開発、第二世代ステントの登場、など話題も豊富です。若い世代が興味をもって集まってくれるような企画を考えたいと思います。
井の頭キャンパスのある多摩地区は、今も緑が豊富であり都心とは異なった趣があります。例年、住みたい街上位にランクされる吉祥寺、都民の憩いの場である井之頭公園、そして三鷹の森ジブリ美術館も徒歩圏内にございます。また太宰治、山本有三、武者小路実篤、三木露風など有名な文豪がかつて住んでいた土地でもあり、文化の薫りを感じながら秋を楽しんでいただけること存じます。ぜひ皆様のご参加をお待ちしています。